職業学校に通うムン・サンテはある日
授業中に発作を起こした
時々、あったことだったので学校側は
唯一の保護者である弟のムン・ガンテを呼び
サンテをこの学校ではなく
福祉施設や特殊学校に通わせるように勧めた
ガンテは仕方なく、サンテの荷物を整理し
サンテを連れて学校から出た
サンテは発達障害3級の診断を受けていた
その頃、絵本作家コ・ムニョンはレストランで
食事をしていた時、自分のファンだと言う母娘が
サインしてほしいと言うのでサインした
その時、その少女がムニョンを見て
「お姫様みたいにきれい」と言った
それを聞いたムニョンは少女と一緒に写真を
撮ってあげると言い、少女を自分の膝の上に乗せ
「あなた、私のファンじゃないでしょ
私の描く童話の中ではいつも魔女がきれいだから
可愛いくてきれいなものが好きなら
今度、お母さんにこう言いなさい
お母さん、私、きれいな魔女になるって」と囁いた
それを聞いた少女は怖がり、泣いて逃げ出した
ガンテはある病院の精神病棟の
介護士として働いていた
過食症の患者をやさしく説得中
患者は食べた物を大量に吐いた
いつものことなのでガンテは
想像の中で自分はゲロの中にいるのではなく
バラの中にいてゲロの匂いではなく
バラの香りを嗅いでいるのだと想像した
その頃、看護婦のナム・ジュリは
入院中の患者コ・デファンが手術が
必要であり、保護者の同意書が必要だと
ムニョンの出版社の代表に電話した
デファンはムニョンの父親だった
それを聞いたムニョンは
「私にとってコ・デファンは
もう死んでいるんだけど
死んだ人間をどうして生かそうとするの
ジュリ そんなに心配なら
あんたが直接来なさいよ」と言った
ジュリとムニョンは小学校の同級生だった
その後、ガンテは自分の勤める病院の
小児病棟にムニョンが来ることを知った
それを兄サンテに話すと
ムニョンの大ファンであるサンテはすぐに支度し
病院に向かうつもりのようだった
ガンテは電話の向こうであまりにも興奮している
サンテを心配し、今から来ても間に合わないし
子供しか入れないからとムニョンのサインを
もらってきてあげると言った
そしてガンテは病院の庭で
タバコを吸っているムニョンを見つけ
タバコを止めるように注意した
するとムニョンは「もしかして運命を信じますか?
運命が特別なものなの?
こんな風に必要な時に来てくれる存在
それが運命でしょ」と言い
ガンテが飲んでいたコーヒーの紙コップに
タバコを捨てた
それを見たガンテはムニョンが
その場を立ち去った後
その紙コップを握りつぶした
その後、ムニョンは小児病棟で朗読会を
行っていたが、突然、精神病棟に監禁されていた
患者が脱走したので、朗読会は中止になった
脱走した患者は自分の娘を探し
一緒に死のうと言った
それを聞いていたムニョンは
それを止めさせようとし
患者に首を絞められた
その時、ムニョンが幼い頃に自分の父に
殺されそうになったことを思い出した
その時、ガンテが来て患者を制圧した
するとムニョンが患者にナイフを振りかざした
それをガンテが素手で刃を握りしめ止めさせた
ムニョンは「運命ね
でも今はどいてほしいだけど」と言った
ガンテは「刃物を置いてください
この人は患者です」と言った
するとムニョンは「違う
これは患者ではなく虫よ」と言い
それを聞いていた患者は
「何言ってるんだ お前の方が狂っている」と言い
その場から逃げて行った
その後、ムニョンは
「これは私の特別サービス」と言って
ガンテの傷ついた手をハンカチで巻いてあげ
「これ知ってる?
この世の中には死んで当然の
奴らがいるんだけど
ある思慮深いイカレタ奴がそいつらを
知らない間に殺しているから
何も考えていない市民は
安心して寝れるの
じゃ、私はどっちの方だと思う?」と聞いた
するとガンテは「何も考えのないイカレタ奴」と
答え、それを聞いたムニョンは笑った
しかし、ガンテは患者管理の責任を問われ
退職させられた
その夜、ジュリはムニョンの父親の手術同意書に
保護者としてサインしてほしいと言って訪ねた
しかし、ムニョンは
「おもしろい話してあげよっか
うちのお父さんは霊魂は死んだのに
肉身は生きてる ゾンビみたいに
お母さんは肉身は前に死んだのに
霊魂はまだ生きてる
どっちが本当に死んだと思う?」
と笑いながら言った
それを聞いていたジュリは恐ろしくなり
ムニョンという存在が全く理解できず
嫌な気分になった
その夜、ムニョンはガンテのことを思い出し
「目が本当に綺麗だったのに」と言った
ガンテもムニョンが言ったことを思い出していた
父親に一緒に死のうと言われた少女は
泣きながら、
「お父さんは悪い人じゃありません
ただ、頭が痛いだけなんです
だから警察に連れて行かないで
精神病院にも入院させないで
お父さんと一緒に住みたいんです」と言った
そしてサンテは1年に1回起こる
蝶に自分が殺される夢を見た
それを見るとサンテは不安に駆られ
どうすることもできなくなるのだった
そんなサンテを見てガンテは失望した
その次の日、ガンテはムニョンの出版社の代表に
呼ばれ、出版社に行った
そこでムニョンに再び会った
ムニョンはガンテが慰謝料でも
貰いに来たのかと思ったが
ガンテは「できればあなたに
もう一度会いたかった
その目をもう一度、確認したかったから
あなたが私が知っている人と同じ目をしていた」
と言うとムニョンが
「それは誰なの?」と聞いた
ガンテは「人格が壊れていた人
良心に穴が開いていた人
目に温気が全くなかった そんな女」と言った
ムニョンは「その女のこと、怖かった?」と聞くと
ガンテは「好きだった」と答えた
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