便殿で眠ってしまった史官ソグォンは
イ・ジンの大いなる許しにより
反省文だけ書けばいいことになった
それを聞いた他の史官達はあまりにも史官達の
仕事が多すぎるのも問題だと愚痴を言いまくった
その後、ヘリョンは森で出会った娘を村に連れていき
モファに診てもらい母の疫病が娘に移らないように
してもらおうとその家に向かった
しかし、ヘリョンが向かった時にはもう遅く
娘は死んでいた
そんな娘を見ながら泣く母親を見て
ヘリョンはいたたまれなく外に出て
自分を責め泣いた
そんなヘリョンにモファは
「誰かが言ってました
花が咲く時は雨風が多く吹き
人が生きていくときには別れが多いって
この世には自分のせいでも誰のせいでもない
そういうこともあるんですよ
だから自分を責めないでください
その力でできることをされたらいいんです」と言って
一冊の書物を渡した
そこには「牛痘種書」とあった
その書物を読んだヘリョンはその夜、イ・リムを訪ね言った
「この書物にあるように天然痘の患者の膿疱(のうほう)を
健康な人に入れるとその力が強いので死を招くこともありますが
天然痘に罹った牛の膿疱を入れると人のものより弱いので
弱い症状で済み、天然痘の予防につながるのです」と言った
それを聞いたイ・リムは納得ができず
もうこれ以上、その話はするなと言った
するとヘリョンは
「ママ 死にかけ苦しんでいた家族を見て
何かしてあげたいといいう思いを
私が汲み取ることができませんでした
私が間違っていました
人の命を手に任せるなんてどれほど卑怯なことだったか
今、わかりました
今、私が言っていることがどれほど
理解し難いことを言っているのかわかっています
でも私が疫病に罹ったこの民と同じ立場だったら
そんなことでも少しの期待をかけたいと思うと思います
それくらい深刻だからです
ですから一回だけこれを読んでみてください
それからだめだと命令を下されても
遅くないと思います」と真剣に言った
その真剣な訴えにイ・リムはその日の晩
「牛痘種書」を一気に読んだ
そこには20年前、この書物の著者がヨーロッパで既に実施されていた
天然痘の予防の方法として「牛痘法」を
朝鮮国内でも実践しようとしてうまくいかなかったことが記されていた
その当時も人間に動物のものを注入することに対し
理解されなかったからだった
著者は「民たちに理解してもらうこと、それがこれからの重大な課題だ
この国の民を痘瘡から解放してあげたい
人の命を天に任せる時代は終わりにしなくてはならない
これからは人が人を救う時代だ」と記されていた
それを読んだイ・リムは次の日、モファを訪ねて
「私はこれを読んで夜中ずっと考えたが信じられなかった
でも私はこの内容を信じてみたいと思った 心から
だから教えてほしい
お前はなぜこれを信じられるのか」と素直に訪ねた
するとモファは
「この書物にでてくる医女が私です
20年前、この書物の著者である私の師匠に医術を学び
「牛痘法」を研究し書いたものです
私の手で牛痘汁を抽出し私の手で人々にそれを注入いたしました
私の目で人々が健康になっていくのを見ました」と言った
するとイ・リムは
「その言葉にお前の命を懸けることができるのか」と聞いた
モファは「もちろんです」と答えた
するとイ・リムは皆の前で「牛痘法」を
実施していくことを宣言した
「もうこれ以上疫病が拡がっていくのを
見てばかりはいられません」と
しかし医員は民たちがそれを受け入れることが難しいと言った
するとイ・リムは
「ですからまず、私が民たちに信頼を与えるようにします」と言い
モファに対し
「私に牛痘汁を入れてもらえないか」と言った
ヘリョンによってイ・リムが
それを決意したことを知ったウウォンはヘリョンに
「史官というものは歴史の事実をそのまま受け止めるのが宿命だ
お前が誰かの過ちを正そうとしたり
心を変えようとしたその時から
お前は史官ではなく小説家になってしまうんだ
それを覚えておけ」と言ったが
ヘリョンは納得がいかなかった
ホ内官は牛小屋で牛痘汁を搾取しているモファを心配し
「本当にママのお体に牛痘汁を入れるというのですか
もしもママに何かあったら夫人の首が飛んでしまいます」と言った
しかしモファは動揺することなく作業を続けた
その頃、左議政イクピョンはモファを探しに
手下たちを平安道に送った
そして、遂にイ・リムは牛痘汁を
自らの体に注入することを民たちに見せた
その後、イクピョンの手下がモファを捕まえに来た
絶体絶命となった時
反対側から馬に乗った群れが来て
モファを助けた
その頃、イ・リムは高熱が出て痘瘡の症状が出始めていた
サヒの家ではサヒの父ソン氏が買い集めた穀物を
突然、役人たちが恵民署
(へミンソ 一般庶民の治療を担当した官庁)に
運んで行ってしまった
それはソヒが父には言わず指示したことだった
その後、ソン氏はイ・ジンに呼ばれ
貴重な穀物を寄付してくれたお礼にと
天蚕糸(てぐすいと)でできた布をもらった
(「繊維のダイヤモンド」に例えられる最高級織物原料)
イ・ジンはソン氏が出て行った後
ソヒに言った
「お前がしたことだとわかっている
お前の父が穀物を買い占めている噂を聞いて
証拠を探していたんだがこれで処罰を免れたな
それもお前の手で書冊に父の徳行を記すことになるとは
それがこの上なく厚い孝心に感動すべきなのか
不埒だと思うべきなのかわからないな」と言った
それを聞いたサヒは自ら書いた書冊をイ・ジンに差し出し
「読んで見られますか
そうでなければ読んで差し上げましょうか」と言い
自分が書いた文を読み始めた
するとイ・ジンは驚き
「止めろ!お前は史官だ
秘密にしないといけない書冊の内容を
なぜ私に聞かせるのだ」と叫んだ
するとサヒは
「私を先に疑われたのは殿下です
私が恵民署(ヘミンソ)に薬剤を送ったのは
処罰を願ってしたのでもなく父のための孝心でもありません
ただそれが士大夫(サデブ、官吏のこと)の
道理だと思ったからです」と言った
その頃、平安道ではイ・リムが牛痘汁を体に入れ
痘瘡の症状が出たが、それが治った
そしてイ・リムは「牛痘法を施行します」と宣言した
そして民は内心、半信半疑ではあったが
事実、牛痘汁を体に入れ元気になったイ・リムがいたので
それを信じ、痘瘡の予防のため牛痘汁を体に入れてもらった
その知らせが王イ・テの耳に届き
イ・テはもちろん大臣たちもその効果を信じられず
すぐに牛痘法を禁止するように命令した
モファを助けたのはヘリョンの兄ジェギョンだった
その後、ヘリョンたちは民の為に一生懸命仕事した
そこにイ・リムとウウォンが来たので
いろいろ手伝ってもらおうとしたが
子供にご飯を食べさせることも
木に火をつけることも薪を運ぶことも一人ではできなかった
何もかもできない二人にホ内官とヘリョンはあきれ返った
一生懸命働いたイ・リム
しかし、その夜の食事はおかずがなかった
その時、一人の少女が「大君ママ
これお母さんが持って行ってあげなさいって」と言って
ケトク(小麦のあら粉·そばの粉糠または砕け麦などをこね
薄っぺらにして蒸した餅 ここでは麦で作ったようです)を
持ってきてくれた
それを見たヘリョンが
「昼間、穀物を分けてあげたものを
自分たちで食べないで大君ママの為に作ったてくれたようです」と言うと
イ・リムは「私の為に・・・」と言い
それを食べた するとそれはとてもおいしく感じた
民のイ・リムに対する感謝の気持ちがこもった素朴だが
イ・リムにとっては世界で一番、心のこもったおいしいお餅だった
そして遂にイ・リムたちは平安道を旅立つ日が来た
その日、民たちは心からイ・リムに対し
感謝の挨拶を捧げた
それを見たイ・リムも本当に感動した
しかし、宮に戻ったイ・リムは王イ・テに
頬を思いっきり叩かれた
そして「お前は牛痘法を禁止しハニャンに帰って来い」という
王命を守らなかったときつく言われた
イ・リムはすぐにイ・テの前に土下座し謝った
本当に一生懸命頑張ったのに
父親から完全に否定され反発もできずに
ただ許しを請うしかなかったイ・リムの心は
切り裂かれるほど痛かった
それを見ていたホ内官、ヘリョン、ウウォンも心を痛めた
しかし、イ・テは今回のことは絶対に許さないと
イ・リムを連れて行くように命じようとした時
イ・ジンが来てイ・テにイ・リムを許してほしいとお願いした
それでも収まらないイ・テにイ・ジンは
「史官が見ております」と言い
それを聞いたヘリョンとウウォンはすぐに
その全てを記録しようとした
それを見たイ・テはそれ以上何も言えなくなった
8話のあらすじはこれで終わりです
今回はイ・リムが一代決心しこの国の王子として
民の為に頑張りましたよね
本当に素直で一生懸命なイ・リムの姿に感動しました
その後ろでヘリョンの懇切な思いがイ・リムの心を変えましたよね
やはり人は一生懸命に生きている人を見ると感動するようです
今回は何度も涙がでました
イ・リムも本当はこうやって一生懸命生きたかったんですよね
しかし、最後の場面では王イ・テにまたもや
心を傷つけられるイ・リム
こんな親では子供が可哀そうだとつくづく思いました
しかし、実子ではないようなので愛情もわかないのでしょうね
煙たい存在だと思っているのかもしれません
何も知らず、父として慕っても
いつも突き放されるばかりのイ・リムが可哀そうなばかりでした
9話はどんな展開になるのか楽しみですね
なおこでした
コメント